提案したのは僕からだった。ちょっと試してみたかったんだ。ドライオーガズムの経験は司くんの手によって開発済みだったし、あの快感を連続で無機質に与えられたらどうなってしまうんだろうという、性欲に基づいた好奇心からだった。結果として、馬鹿になるほど気持ちいいんだけど、気持ちよすぎて、こわい。こん、こん、と一定のリズムで前立腺を叩かれて、止めてもらいたがっても、自分の身体がそれを阻む。勝手に収縮するなかが気に入ったみたいに器具を離さなくて、ぎゅう、となかに納め続ける。自分で自分を苛み続けて感じれば感じるほど脱け出せなくなる蟻地獄のようになると、ネットで見て知っていたけど、ほんとうに、キツい。なにより、この蟻地獄の様を愉悦を持って見つめ続ける恋人の視線が、身体を焦がしてたまらない。司くん。いじわる。
「も、ぬぃて、いぃよ、ねぇ、アアッ」
十分に解ったからこれ以上になる前に止めてほしいのに、司くんの指は、僕のなかに入ったエネマグラを抜いてくれない。代わりに、ただ汗ばんだ僕の髪を優しく撫でていく。
「きもちよさそうだぞ。……もっと見ていたい」
「ゃ、だ、だって、も、じゅっぷんくらい、ずっと」
「ああ、……まだ二十五分くらいだけどな」
「っん、も、そんな、にっ、ゃ、ぁ」