ぐちゃぐちゃ何か考えてるんだろうなとは思っていた。それでも出てきた答えが『これ』だったんだから、だからそれを嬉しいと思いながら頬張って、甘みを感じて、唾液が出て飲み込んで、食道を通って胃に到着して、身体の熱になって、生きてきたから今生きているんだと、先生の好きなものは何だったろうと、貰って嬉しいものは何だろうと、同じことを感じてほしいと、どうせ俺しかいないんだからいくらでもヘンなツラを晒せばいい。年に一度、生まれた日を祝うだなんてなんて都合のいい事だ。いくらでも悩めばいい。いくら悩んだか覚えていない。それでもこの『答え』をくれた師のことを嬉しいと、嬉しいと感じて温かくなったから、何だっていいよ俺は、松陽、同じことをあげたくて、同じ気持ちをもってるあんたへ、くれた熱をあげたいから。
生まれた日
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